~マスク着用ルール緩和後のオフィス感染症対策の基準に!~
学校法人順天堂プレスリリース(2023.3.3)
順天堂大学(学長:新井 一)の大学院医学研究科感染制御科学(教授:堀 賢)は、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスク着用が3月13日から緩和されることを受け、新型コロナウイルス感染症対策に限定した重要項目をまとめた「ウィズコロナ・チェックリスト。」を作成し、公開しましたのでお知らせします。
本チェックリストは、「オフィス換気編」と「オフィス管理編」の2部構成です。
換気編は、順天堂大学と清水建設株式会社(社長:井上和幸)が2021年2月開設した「Pandemic Ready共同研究講座」(研究代表:堀 賢)で共同開発中の感染リスクアセスメントツールから抜粋して作成しました。
管理編は、国際的第三者評価で定評のあるスコア方式を用いて本学大学院医学研究科感染制御科学が独自に開発しました。
「ウィズコロナ・チェックリスト。」について
新型コロナウイルス感染症のパンデミックもようやく終わりを迎えつつあります。今回は人類史上経験がなかったウイルスが原因でしたので、当初は感染症様式も不明なまま、既存の感染症対策を次々と繰り出すことで、感染症のまん延防止にあたってきましたが、これらの中には、社会活動を大きく制限するものもありました。しかしながら今後は、パンデミックの再興を抑えながら社会活動を復興していく局面となり「何を止めて、何を残すべきか?」を適切に判断してくことが求められるようになりました。感染症対策は「始めるは易し、止めるは難し」であり、現場で判断しにくいからこそ、感染症対策の専門家からの時宜を得た推奨が必要です。
この度、私たち研究グループは、ウィズ・コロナを見据え、現時点で実施すべき必要最小限の感染症対策を選定し、チェックリストを完成させました。今後も流動的な状況を見極めながら、ポスト・コロナ社会への「北極星」を提示してまいります。
■ 「ウィズコロナ・チェックリスト。(オフィス版)」のポイント
•現時点で、行うべき最小限の感染症対策を厳選し「オフィス換気編」と「オフィス管理編」として公開します。
•コロナ感染症対策の準備状況は、点数で客観的にわかります。
•オフィス版の他、今後も飲食店版、アリーナ版など続々と登場予定です。
■ 「ウィズコロナ・チェックリスト。」(オフィス換気編)について
5つのチェック項目から構成されています。
それぞれ0~2点の範囲で評価し、合計点により「良好」「注意」「危険」の目安を提示しています。
<チェック項目例>
複数の人が集まる部屋に定員が設定してある
•定員を定めていなければ → 0点
•換気量にかかわらず定員を定めていれば → 1点
•換気能力に見合った*定員を設定していれば → 2点厚生労働省が示した「冬場における『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法」では、一人当たり30㎥/h以上
■ 「ウィズコロナ・チェックリスト。」(オフィス管理編)について
6つのチェック項目から構成されています。
それぞれ-2~2点の範囲で評価し、合計点により「良好」「注意」「危険」の目安を提示しています。
<チェック項目例>
職場でのマスク着用に関するルールがある
•着用に関するルールを設定していなければ → 0点
•発声する場面(会話や電話応対など)でのマスク着用を推奨していれば → 1点
•さらに、発声がほとんどない場面での着用を積極的に免除していれば → 2点
•場面にかかわらず一律に、マスクを外すこと、あるいは着用することを求めていれば → -2点
■ 「ウィズコロナ・チェックリスト。(オフィス版)」の活用ガイド
本チェックリストをどのように活用していただきたいか、各評価項目とスコア付けについての解説をまとめております。
チェックリストとあわせて、ご活用ください。
堀教授からのコメント
感染症対策の選定は、「どの程度のリスクを許容しながら、必要な対策を絞り込んでいくか」を見極める工程です。復興に前のめりになりすぎてもいけませんし、「やっぱり心配だから、これもやっておこう」と慎重になりすぎてもいけません。
それぞれの事象の大きさや頻度に応じて、合理的に判断することが、我々プロフェッショナルに求められる役割と自覚し、みなさまに「わかりやすく役に立つ情報」を発信していきます。
本件に関するお問合せ
順天堂大学大学院 医学研究科
Pandemic Ready 共同研究講座
pandemicready@juntendo.ac.jp